私たちは大事にしたい対象は「ヤマネ」と「いきもの」と「人々」です。
「ヤマネ」って知っていますか? くりっとした目があり、背中には黒い1本のすじがあり、尾はやわらかい毛でおおわれている小さな哺乳類です。日本の森で、枝を道とし、枝の下をするすると走り、花の花粉や蜜、やわらかい果実、葉の裏の小さな虫たちなどを食べています。体重は鶏卵50グラムの半分もない18グラムほどしかありません。暗い夜の樹上で、超音波でコミュニケーションし、天敵のフクロウなどを避けながら生き抜いています。最古の化石はドイツで約5000万年前の地層から見つかっています。ニホンヤマネの祖先は、はるか昔、ヨーロッパから枝の道をわたりながらやってきて、約510万年前には日本に棲むようになりました。ですから、
ニホンヤマネは日本列島最古参の哺乳類で、生きた化石なのです。
山梨県では6ヶ月も何も食べず、おしっこも、うんちもせず冬ごもりします。しかも、体温は0℃ほどに下げながら、環境温度変化を和らげてくれる雪の下で眠っています。しかし、今、地球温暖化により雪が減少し、ヤマネの穏やかな冬眠が脅かされようとしています。
さらに、日本では道路造成による森の分断、開発による生息地の減少、生息環境悪化の危機に直面しています。そんなヤマネを守るために私たちは研究を続けています。森の動物たちの歩道橋のアニマルパスウェイを開発しているように、ヤマネ保護に注力しています。みなさん!こんなにかわいくて、不思議のかたまりの、森の象徴の、森の大切さを伝える“代表選手”のヤマネをもっと知りたいと思いませんか? そして、ヤマネたちと森を守るための活動に共に参加しませんか?
植物・動物・微生物は、わたしたちの周りと地球上にたくさんすんでいます。植物が造ってくれる酸素のおかげで私たちは呼吸できるように、私たちは、「いきもの」がなくては生きていくことができません。人は空気も食べ物も衣類も燃料も「いきものたち」の恵みで暮らしています。だから、「いきもの」を守ることは「人々」を守ることに繋がるのです。
また、「いきもの」とふれあい、体験し、観察することで、子どもの感性・好奇心・やさしさなどが豊かに豊かに育っていきます。まるで、「いきもの」は子どもたちの情操を育む「先生」です。
わたしたちは、生物の希少種を保護すると同時にふつうの「いきもの」を大切にしたいと思っています。ふつうの「いきもの」は、その地域の生態系を担っているからです。
その「いきもの先生」たちは、地域の子どもや人を育て、癒してくれるからです。また、かつてふつうだったメダカが、絶滅危惧種に陥ったように、ふつうが「絶滅種」とならないようにモニタリングしておくことが大事だからです。
次に、私たちは、未来と持続可能な地域・地球社会を支える「人材」を育むことも目指しています。国連で決めたSDGsを実現していくのは、「人々」です。そんな未来を担う子どもたち・大人たちが成長することをお手伝いしたいと思っています。
私たちの活動はスタートしたばかりです。何もないゼロからの始まりですが、みなさんからいろんな応援をいただければ、幸いです。
みなさんの応援は私たちの馬力を増やし、「ヤマネ」と「いきものたち」の研究と保全と教育に活かされていきます。ご参加下さい。
一般社団法人ヤマネ・いきもの研究所
代表 湊 秋作