『野生動物のロードキル』にヤマネとその保全事例を紹介
「ロードキル」をご存じですか?
みなさん「ロードキル」をご存じですか?「ロードキル」とは道路上で野生動物が、運転中の車と衝突してしまうことです。 身近なところでは市街地でのイヌやネコ、昨今ではタヌキやハクビシンなど、日本国内で、北は北海道から、南は南西諸島まで、さまざまな動物が「ロードキル」によって死亡しています。広くは、カエルなどの両生類や鳥類、小動物も含まれるそうです。
東大出版会より発刊された『野生動物のロードキル』では、エゾジカ、キタキツネ、タヌキ、ハクビシン、アライグマ、ツシマヤマネコ、イリオモテヤマネコ、アマミノクロウサギ、ケナガネズミ、ヤマネ、ノネズミといった日本国内の哺乳類を中心に、動物たちの、ロードキルの実態や対策について、専門の研究者たちが解説しています。
ヤマネー樹上性哺乳類の分断化対策
本書では、当研究所の湊秋作と餐場葉留果が「ヤマネー樹上性哺乳類の分断化対策」について執筆しました。そこでは、ヤマネとはなにか、樹上性動物のためのコリドーとその普及について紹介しています。さらに、日本独自の取り組みとしての、ヤマネトンネルとヤマネブリッジ、アニマルパスウェイを、ヤマネの保全と教育、防災までに連携させた事例を紹介しています。
- ニホンヤマネ
- 道路標識も兼ねているヤマネブリッジ
- 山梨県北杜市のヤマネ保護のためのトンネル
- 八ヶ岳のアニマルパスウェイ
- 三重県尾鷲市のトンネル入り口にヤマネのための植栽
「野生動物のロードキル」について
内容:野生動物のロードキル問題とはなにか。最前線に立つ研究者たちが普通種から絶滅危惧種、さらに外来種まで、その実態を詳細に紹介し、今後の対策について展望する。野生動物の保護管理担当者、ロードキル問題に携わる道路関係者や行政担当者の必携書。
書籍名:野生動物のロードキル Wildlife Roadkill in Japan From Wildlife Managment to Road Ecology
出版社:東京大学出版会
著者:監修:柳川久、編:塚田英晴・園田陽一
※当書は東京大学出版会のサイトやオンライン書店でもご購入いただけます。